頭の傷によって髪が生えてこない部分をなんとかしたい

受診する際は、頭の傷の状態、毛髪の状態などを美容外科や形成外科（とくに植毛などに詳しい医療機関）で診ていただき、そのうえでどのような治療方法がもっとも適切なのかを相談する必要があります。場合によっては、植毛以外の治療のほうがきれいになることもあるからです。

治療方法は、傷が円形で1～1.5cmであれば、縫縮（毛の生えていない部分を少し切り取って皮膚を縫い縮めること）によって傷や毛の生えていない部分を小さくして目立たなくします。

傷が大きい場合は、縫縮が難しいため、ほかの部位の皮膚を寄せるなどして、傷や毛の生えていない部分を目立たなくします。これは、欠損した皮膚をカバーするために皮膚・皮下組織を切り取ったもの（皮弁）をつくり、目的の場所に移動させ、縫いつける方法です。また、皮弁をつくった部分はうまく縫いつけて目立たなくします。

このほか、植毛もありますが、少しずつ治療をすることが多いため、1回では終わらず、ある程度の期間がかかる可能性も考えられます。

年齢とともに、毛髪量や傷の周辺が以前より目立つような変化があれば、全体のバランスを考えて慎重に治療方法を決めていく必要があります。どこまで治療したいのか、また、治療方法などの技術面でよく検討されるとよいでしょう。

傷あとは、一般的に半年から1年くらいで自然な感じになるといわれています。

自毛植毛は一生しっかりとした毛が生え続け、満足度が高い治療法といわれています。通常、移植後4～5カ月で自然な感じの太い毛が生えてきます。

特別な後遺症はいわれていませんが、皮膚を切開したり、移動させることで、引きつれる感じや毛の流れが不自然になったり、皮弁をつくったところに傷あとが残ることがあります。治療後の通院の間隔、費用、治療に伴うリスクなど、術後の疑問についても、よく担当医にご相談され、納得のいく治療を受けられるとよいと思います。