かつての部下が上司に。心がモヤモヤする

納得がいかず、心がモヤモヤするのも、ごもっともだと思います。一方で、元部下であり、これから上司になる相手の方はどう感じているのでしょうか。かつての関係性にもよりますが、相手もご相談者と同様に複雑な気持ちを抱いているかもしれません。

人事制度の転換期ということであれば、社内には同じように戸惑っている方がほかにもいらっしゃるかもしれませんね。

まず、ご自身でできることとしては、上司と部下の関係は、あくまでも仕事場面に限られたものと割り切ることです。年功序列に慣れていると、あたかも自分が上の立場にいるように錯覚してしまいがちですが、職場はお互いが役割を担って仕事をする場であると考えてみてください。自分に課せられた役割をこなし仕事をするうえで、上司だから、部下だからと相手によって接し方を変える必要はなく、仕事に必要なコミュニケーションをとればよいのはないでしょうか。

繰り返しになりますが、相手もやりにくさを感じているかもしれませんから、必要以上に意識しすぎず、むしろ関係性をリードするくらいの気持ちで、仕事がうまく運ぶことを第一に考えてかかわっていくのがよいと思います。

そうはいっても、モヤモヤする心にふたをして1人で抱えているのでは、だんだんとストレスが大きくなってしまいそうです。ストレスをためないように、仕事以外の場面で自分のための時間をもつように意識しましょう。自分のための時間というのは、趣味といえるものでなくても、ご自身が仕事のことを忘れて過ごし、リフレッシュできればどんなことでもよいと思います。納得のいかなさやモヤモヤを思い詰めて考えすぎずに、時間の経過に身を任せることも必要だと思います。

職場の同僚や家族など、安心して話せる相手がいれば、そういったお気持ちを吐き出してみるのもよいですね。複雑な、モヤモヤする気持ちをわかってくれている人がいると思うだけでも、心強く感じられると思います。もし可能ならば、元部下である上司本人に、今回の人事異動についての複雑な気持ちを打ち明けてみてもよいかもしれません。直接話すことで、その後のコミュニケーションが円滑になり、仕事がしやすくなるかもしれません。