Question

運動後に両下肢の痛みが続く

現在、中学生の子どもが、2年ほど前に両下肢(ふくらはぎ)の痛みで整形外科を受診したところ、シンスプリントの診断を受けました。ただ、2年以上経ってもあまり改善せず、現在も体育の授業の後などに痛みが増すようです。冷え性で手足がいつも冷たく湿っている感じです。最近、バージャー病のことを知り、可能性がないか心配になっています。

男性/40代

2023/07/08

Answer

シンスプリントとは、脛骨(すねの骨)周囲の骨膜が炎症を起こすスポーツ障害の一種です。脛骨過労性骨膜炎といい、激しい運動などによるオーバーユースで起こります。また、扁平足や筋力不足の傾向、硬い路面での運動、かかとの薄い靴などさまざまなリスク因子により、悪化や慢性化する場合もあります。骨膜の炎症により異常な血管が新生され、神経を刺激すると治りにくい痛みになるともいわれています。


一方、バージャー病は、閉塞性血栓血管炎ともいい、四肢の細い動脈に血栓ができてそこに炎症が起き、内腔が塞がってしまう病気です。手足の動脈が閉塞した結果、虚血症状(血液が供給されないために起こる低酸素状態による症状)が発生します。おもな自覚症状は以下のとおりです。


●指の冷感やしびれ感やレイノー現象(指先が真っ白になってなかなか戻らない)

●間欠性跛行(一定の距離を歩くと足の痛みで歩けなくなるが、しばらく休むとまた歩ける)

●安静時疼痛(じっとしていても足が痛む、激しい痛み)

●潰瘍・壊疽(足先に治りにくい傷、潰瘍ができる。血流が途絶えると壊死に陥ることもある)

●手足の静脈にも炎症を起こし、静脈に沿って赤く腫れて痛む。痛む場所は移動する


これらの症状は、順に起こる場合もあり、最初から指先などに潰瘍を形成する場合もあります。

バージャー病は、30~40代の喫煙男性に好発する疾患です。自覚症状とあわせても、お子さんの可能性は低いと思われますが、もし検査を希望される場合の診療科は、血管外科となります。


すでに整形外科を受診されているので、症状の改善がみられない点については、再度主治医にご相談されるのもよいでしょう。また日本整形外科学会では、スポーツ障害等を専門とする認定スポーツ医の制度があり、学会のサイトで全国の認定医が検索できるのでよろしければ参考にしてみてください。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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