Question

最近、お酒が少量でも二日酔いに……

ここ最近、急に二日酔いを起こすようになりました。以前は多く飲めたのに、今は少量でも翌日に頭痛やだるさが出るため、禁酒しています。健診結果に異常はないものの、隠れたからだの異常があるのではと心配です。お酒が飲めないのはつらく、何とか改善させたいです。

女性/40代

2023/05/16

Answer

最近急に、二日酔いによる頭痛などがみられるようになったのですね。健康診断では所見はないものの、急なからだの変化があり、心配である一方、お酒を楽しむことも続けたいのですね。

一般に、アルコール摂取後の体内のアルコールの吸収や分解には多くの要因が関係しています。飲酒後のアルコールは、胃と小腸上部で吸収され、飲酒後1~2時間でほぼ吸収されて、おもに肝臓で速やかに分解が始まり、その後は筋肉が主となります。


飲酒後の血中濃度のピークは30分~2時間後、その後に濃度は低下しますが、血中のアルコール分解速度は、個人差が大きいことが知られています。ある研究結果では、アルコール分解速度の平均値は、ビール中びん1本で男性はおよそ2時間、女性は3時間程度ですが、平均値なので幅があります。

アルコールの分解速度は、肝臓の大きさが関係します。大きいほうがアルコールの分解は速いので、男性は女性より速く、年少者や高齢者は遅いことが知られています。また、2型アルデヒド脱水素酵素の遺伝的タイプも影響します。


飲酒時の不快な症状や、二日酔いは過度の飲酒が原因であることは明らかですが、何故起きるのかは諸説あり、解明されていません。このように飲酒は複雑な過程で分解され、からだに対して飲酒量が多いときは、不快な症状が現れたり、過度な場合は急性アルコール中毒などの状態に陥ります。

アルコールは嗜好品で生命維持のために摂取しなければならないものではなく、飲酒時のみに症状があり、非飲酒時にからだの症状がなければ、飲酒を避けることで健康が維持できるので飲酒を避ける対処をとります。通常、医学的な処置は不要でしょう。


飲酒時の工夫としては、空腹時の飲酒はアルコールが胃を素通りして小腸に達し、アルコールの吸収が速くなるので避けます。食事やつまみと一緒にゆっくり飲酒すると、アルコールが胃に留まる時間が延び、吸収が遅くなり、血中濃度も低く抑えられます。飲酒時はこのような飲み方が推奨されます。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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