右下の腹部痛。残便感も

女性の腹部には婦人科、消化器、泌尿器科領域のさまざまな臓器があり、腹痛は原因の特定が難しい症状の1つです。一般的には胃腸の炎症や便秘など消化器系の器質的要因で現れることが多いとされていますが、婦人科領域の問題、心身の疲労や緊張などの心理的要因が引き金となっている可能性も考えられます。

消化器領域による腹痛であれば通常、排便に関係して症状が現れます。便の性状（下痢、便秘）、血便、吐き気、嘔吐、発熱など、消化器症状とともに全身の症状がある場合もありますが原因は多岐にわたります。

婦人科領域の腹痛は月経周期に連動してみられることが多く、月経の前後や中盤など症状が現れる時期をおよそ特定することができます。また、おりものの異常（色、におい）、不正出血、子宮筋腫や子宮内膜症などの既往歴がある場合も婦人科の受診を検討します。

一方、排尿時痛、残尿感、血尿などの排尿に伴う症状は泌尿器科領域となります。

上記のことをふまえると、今回の症状では消化器内科の受診をおすすめします。おなかの右側には、腸や胆のうなどの消化器の臓器があります。ただし、消化器内科での診察の結果、他科を受診するよう医師の指示があった場合はそれに従いましょう。ご相談に「ズキズキする痛み」とあることから、できるだけ速やかに消化器内科の診療所またはクリニックを受診するとよいでしょう。

なお診断がつくまでは、運動のほか、マッサージなど腸の刺激となるような活動は控えるようにしましょう。受診時は医師によく症状を理解してもらえるよう「いつから」「どんなふうに」「どの程度」「どのくらいの間にどのくらいの時間続くか」「どのような状況で」「症状を軽くまたは悪くするような因子はあるか」「主症状に伴う別の症状があるか」などを詳細に伝えるとよいでしょう。