Question

コレステロールと糖代謝が初めて基準値外に…

健康診断で、LDLコレステロール値と、糖代謝(HbA1c)の値が基準よりもやや高くなり、初めて生活習慣の改善が必要と指摘されました。日常生活ではどのようなことに注意すればよいでしょうか?

男性/40代

2023/04/08

Answer

健康診断でLDL(悪玉)コレステロールや、HbA1c(グリコヘモグロビン)が基準値よりもやや高く、生活習慣をどのように改善したらよいかとのこと。LDLコレステロールは増えすぎると、血管壁に付着して動脈硬化を進めていきます。また、HbA1cは、過去1~2カ月の血糖値のコントロール状態を示します。

LDL値とHbA1c値の改善のための、一般的な生活の留意点は次の通りです。


●食事の注意点

空腹時間が長いと次の食事量が増えたり、急に血糖が上がったりする場合があります。食後に血糖値が急上昇と急降下を起こす状態を「血糖値スパイク」といい、血管にダメージを与えてしまいます。放置すると動脈硬化をひきおこし、心筋梗塞や脳卒中、認知症、がんなどの合併症が生じやすくなると考えられています。血糖値スパイクを防ぐためには、1日3食をとり、よくかんでゆっくり食べるようにします。また食物繊維を多く含む野菜や、野菜を含むおかずを最初に食べることによって、炭水化物(糖)の消化や吸収のスピードを遅らせ、血糖値の急激な上昇を抑えることができます。

エネルギーをとりすぎると肝臓でのコレステロールの合成が促進されるので、麺類や揚げ物のとりすぎに注意し、腹八分目を守りましょう。食材をゆでる、炒め物や鍋類は野菜を多めに入れてとるようにするとカロリーが抑えられ、満足感を得られやすくなります。


LDLコレステロールを下げる効果の高い食品には、魚、大豆製品、食物繊維を多く含む野菜、海藻、きのこ、こんにゃくなどがあります。動脈硬化を進行させるトランス脂肪酸は、スナック菓子、マヨネーズ、マーガリンなどに含まれていることがあるので注意が必要です。また、コレステロールは夜に作られる割合が多いため、夕食は早めの時間帯に済ませましょう。


●運動の注意点

運動量を増やすことで、血糖値を下げるためにインスリンを分泌する膵臓の負担を軽減するとともに、血中脂質の改善効果も得られます。具体的には、汗ばむ程度の運動を1日30分程度、毎日が理想ですが、週の半分以上を目安に行います。ウォーキングや速歩、ジョギング、水泳、サイクリングなどの有酸素運動が効果的です。適正体重を維持するように行います。


また、基礎代謝量を効率的に上げるために、からだの大きな筋肉(大胸筋、広背筋、大臀筋、太ももの大腿四頭筋とハムストリング、ふくらはぎの腓腹筋とヒラメ筋)を鍛えるためのトレーニングをすることもおすすめします。例えば、太ももを鍛えるにはスクワットが有効です。けがをしないように正しいフォームを動画などで確認して行いましょう。


●睡眠の注意点

ストレスや疲れを上手に解消しましょう。血糖を下げるホルモンの働きや分泌にも影響します。睡眠不足は、HDL(善玉)コレステロールの低下や空腹時血糖値の上昇など、さまざまな代謝異常の誘因となるため、睡眠時間を確保するなど、コンディションを整えて過ごしましょう。


ご自身の生活スタイルに合わせ、これらのことに継続的に取り組むことが病気予防の一番のポイントです。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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