背中の痛みの原因と受診科は？

先週、背中の痛みが出て、就寝時には寝返りするたび痛みが走って熟睡できなかったとのこと。単なる疲れと思い、翌日はゆっくり過ごして様子をみていたところ、2日後にはまったく痛みを感じないくらい改善されたのですね。痛みがなくなったとはいえ、痛みの消え方が不自然であり、痛みの場所が背中ではなく胸だったのではないかと思うと、気になってしまいますね。

痛みには、さまざまな種類があります。鋭い痛み、鈍い痛み、繰り返し起こる痛み、持続的な痛み、拍動性の痛み等があります。痛む場所も、限定した部位であったり、放散痛といって、原因の部位から離れた部位が痛んだり、広い範囲で痛みを感じることがあります。

そして痛みの感じ方には個人差があり、その時の体調や状況などによっても違いがあります。痛みを感じている場所と、原因がある場所とが一致しない場合もあります。

例えば、狭心症などの心臓発作で痛む場所は、背中や首やあご、左肩から腕にかけて、あるいはおなかの痛みとして感じることがあります。また、胆石発作の痛みは、みぞおちや、肩の後ろ側などで感じることがあります。尿管結石では、腹痛ではなく背中に激しい痛みが起こることもあります。

また、ストレスを伴う心理的な面から起こる痛みもあります。そのほか、検査をしても原因がわからない痛みもしばしばみられます。このように、背部痛、胸痛だけでは、適切な受診科目をピンポイントで案内することが難しいのですが、一般には、脂汗を伴ったり、呼吸が苦しくて横になれないなどの激しい痛みがある場合は、早急に循環器内科への受診をおすすめします。

そのほか、呼吸や体位で痛みに変化があるときには呼吸器内科、食事に関係し胸が焼けるような痛みがあるときには消化器内科、血尿を伴うときには泌尿器科、しびれや背骨の変形を伴うときには整形外科、発疹を伴うときには皮膚科への受診をおすすめします。

また、他に症状がない、今は落ち着いている場合には、かかりつけの内科や総合内科を受診するといいでしょう。医師が問診しながら検査を組み立て、他科への受診が必要なときには病院を紹介してもらえます。

受診の際は、医師に痛みの程度や状況をよく理解してもらうために「いつから」「どんなふうに」「どの程度」「どのくらいの間にどのくらいの時間続くのか」「どのような状況で」「症状を軽くまたは悪くするような因子はあるか」「主症状に伴う別の症状があるか」など具体的に伝えるとよいでしょう。