腎機能の低下を防ぐための注意点
健診結果についての相談です。クレアチニンの値が毎年高めで、今回は一番高く出ました(0.81mg/dL)。また、eGFRは基準値より低く、腎機能の低下があるようです。結果はC判定ですが、来年の健診まで何もせずに過ごしていてもよいのでしょうか?
女性/30代
2022/12/10
健康診断で高めに経過していたクレアチニン値が、今回一番高く、eGFRの数値も低いため腎機能の低下を指摘されたのですね。結果は、C判定ということですが、健診結果の判定は健診機関が独自に決めているので、今回は一般的に決められているC判定で、経過観察と記載されるものとして回答します。
腎臓は、からだの不要なもの(老廃物)をろ過し、尿とともに排出する働きをしています。また血圧を正常に保つ働きもあります。クレアチニンは筋肉を動かすときのエネルギー源であるアミノ酸の1つです。腎機能が低下すると、筋肉にあるクレアチニンの老廃物の排泄が悪くなり、血液の中にたまってしまいます。
eGFR(推算糸球体ろ過値)は、自覚症状の少ない慢性腎臓病(CKD)の早期発見に役立つ値です。腎臓が1分間にどれくらいの血液をろ過して尿をつくれるかを示した推定値で、血清クレアチニン値と年齢、性別から、おおよその糸球体ろ過値を表した値です。一般に60%以下の場合、腎臓の専門医のもとで経過をみることが推奨されます。その他、軽度の低下でも、血圧が高い、尿たんぱくが出ている、血糖が高いときも、腎臓の働きを保つため、数値のコントロールが必要になってきます。
健診で腎機能の低下を指摘された際は、今後健康に生活していくため、食事や生活習慣を振り返り、生活に無理がないか、不摂生や運動不足がないのか等、見直していくことが大切です。腎機能の低下を防ぐ日常生活の注意点をお伝えします。
●腎臓に負担をかけない食事を
・主食、主菜、副菜を基本に、多様な食品を組み合わせましょう。品目が多いと、自然にバランスがよくなります。
・塩分のとりすぎに注意。めん類の汁を残す、ハム類や加工食品を控えめに、香辛料や香味野菜を上手に利用しましょう。
・たんぱく質は多すぎても少なすぎても腎臓への負担に。1食に卵なら1個、アジなら中1尾、低脂肪の肉なら50gが目安。
・食べすぎに注意しましょう。腹八分目が理想です。
●疲労やストレスをためない
睡眠不足や、自律神経の交感神経が亢進した状態が長いと、血圧の上昇につながります。血圧の上昇は腎臓内の血管に負担がかかるので、自分なりの気分転換方法をみつけましょう。
●アルコールのとりすぎに注意する
1日の目安は、ビールなら中ビン1本、日本酒なら1合が目安です。週に1日以上はお酒を飲まない日をつくりましょう。
●運動をする
適正体重を維持しましょう。ウォーキングや水中運動などの有酸素運動がすすめられています。
次年度も健診を受けられると思いますが、経過をみていくうえで、むくみがある、尿量に変化がある、尿が泡立つ、からだがだるい、貧血症状がある、食欲がない、吐き気があるなどがあれば、早めにかかりつけの内科を受診すると安心です。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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