Question

尿たんぱくが再検査でも陽性

尿検査をすると尿たんぱくが陽性(+)になるものの、再検査をすると陰性(-)ということが、子どもの頃からよくあったのですが、今回初めて再検査でも陽性(+)になりました。医師からは問題ないと言われたのですが、とても心配です。腎臓の専門医などに診てもらうべきか、迷っています。

女性/20代

2022/11/17

Answer

尿たんぱくが陽性(+)で、再検査でも陽性という結果について、主治医から問題ないと言われたものの、気になっていらっしゃるのですね。

ここでは、たんぱく尿の原因と、検査の進め方や結果の捉え方についてご説明します。健康な人の尿には、ごく少量のたんぱくしか検出されず、尿たんぱく試験紙では通常、陰性(-)を示します。しかし、腎臓が障害されると尿たんぱくがそれ以上に排泄され、たんぱく尿と呼ばれる状態となり、陽性を示します。

たんぱく尿はさまざまな原因でみられ、腎臓病などの病的なものと、発熱時や立位負荷などにみられる生理的なもの(腎臓に明らかな病変がないのに尿たんぱくが陽性となる)があり、慎重に鑑別する必要があります。


方法としては朝、起床後の最初の尿(早朝第一尿)の試験紙法による検尿が一般的です。その理由は、早朝尿は尿が濃いので検査結果が陽性を示しやすいからといわれています。ただし、状況によっては随時尿(学校・職場・病院などその場で採取する尿)で検査する場合もあるかと思います。

検診などで尿たんぱくが陽性だった場合、まずは、医療機関で早朝第一尿の再検査を行います。再検査の結果、早朝尿の尿たんぱくは陰性で、立位負荷したときにのみ陽性であれば、起立性たんぱく尿(生理的たんぱく尿)の可能性が考えられます。このとき、早朝尿も陽性だった場合は、定量検査(随時尿の尿たんぱく/クレアチニン比)を行います。定量検査の基準値は0.15g/gCr未満ですが、0.15~0.49g/gCrの場合は軽度増加(軽度たんぱく尿)と捉え、起立性や熱性の生理的なたんぱく尿では1.0g/gCr未満であることが多いといわれています。この数値が1.0g/gCrを超える場合は、腎臓専門医での精密検査が必要となります。


たんぱく尿の所見が病的なものか否かは、尿潜血や沈査、血液検査などの検査所見や、今までの経過もあわせて医師が総合的に判断します。上記のような観点から「問題ない」とのご説明だったのではないかと思われます。しかし、ご相談者が今回の説明にやはり納得いかないとのことであれば、再度主治医に確認されてはいかがでしょうか。また、主治医が総合内科医や腎臓専門医でない場合は、一度腎臓専門医に相談しておかれるとご安心かもしれません。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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