夜や朝方に耳鳴り。脳の異常ではと心配……

耳に響く雑音を総称し「耳鳴り」といいますが、健康な人でも耳鳴りを経験することがあります。耳鳴りは、音源がないにもかかわらず音を自覚してしまう症状で、本人にしか聞こえないものです。その原因として考えられるのは、耳の外耳・中耳・内耳や神経に何らかの異常がある場合、過労やストレス、心因的な要素などがあります。

通常、耳鳴りの症状については、難聴を伴うか、病的な背景がないかなどを確認することが大切で、耳鼻咽喉科での診察をおすすめしています。今回は、すでに耳鼻咽喉科を受診され、特に所見はないとのことで、適切に対処されています。抗生物質や利尿剤などの薬により耳鳴りの症状が出ることもあるので、現在内服中の薬があれば、まずは主治医へ相談するとよいでしょう。

病的な背景のある耳鳴りがある一方で、健康な方が経験する耳鳴りもあります。

静かな環境の中で耳に雑音を感じる場合は、耳の中や聴覚神経の近くを流れている血流の音（首を通る太い血管を流れる血液の音）が雑音として聞こえているケースがあります。このような音は、鼓動（拍動）の音ではなく、血液が流れる音なので「ジー」や「シャー」などと断続的に聞こえる場合が多いです。このような耳鳴りは、脳血管のどこかが詰まっているわけではなく、一般的に問題のない生理的なものです。

相談内容からは、耳鳴りがこういった生理的なものかはわかりかねるため、脳神経の主治医へも症状を相談されてはいかがでしょうか。また、生活面での対策としては、睡眠不足、過労やストレスにより耳鳴りが悪化することがあるので、十分な睡眠と休養を心がけましょう。