その時々で血液検査の数値にばらつきが。精密検査は必要?
献血をした際には異常はないものの、その約1週間後に受けた健康診断のヘモグロビンの数値は11.9 g/dLで血液一般の判定はDでした。毎年の健診でもその時々で判定が異なります。日によって値のばらつきがあるように思いますが、精密検査は必要ですか?
男性/50代
2022/09/30
献血時の検査では問題ないものの、赤血球とヘモグロビンの値が、定期健康診断では要精密検査となっていたとのこと。日によって値のばらつきがあるけれど、精密検査の必要があるのか、とのことですね。健診を毎年きちんと受けて自分の健康を守り、献血で困っている方を助けているからこそのご質問と思いました。
ご存じのことと思いますが、血液は、体中に酸素や栄養を届け、二酸化炭素や老廃物を回収する働きがあります。そのため、血液検査は、貧血をはじめとする血液の病気や、全身の状態はどうなのかを診るために必要なものです。
健診ではおもに、貧血のチェックのために、赤血球、白血球、血小板等を調べる検査が行われています。
どのような貧血があるのか、赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリットの3つの検査で診ていきます。一般的に、男性でヘモグロビンが13g/dL以下になると貧血と診断されます。
骨髄でつくられる赤血球は毎日約200億個で、同じほどの量が壊れています。このバランスが崩れたときに赤血球の量が変わってきます。ヘモグロビンは、赤血球の成分の1つで、鉄と酸素を運ぶ働きをしており、通常、赤血球数に連動して減少、増加しています。
また、ヘマトクリットは、血液中に占める赤血球の割合のことです。
数日で赤血球数が減少する場合には、どこかに出血がないか、血液が壊されるような貧血がないかを疑います。
ご相談者は、献血時と健診時が近く、健診時は基準値より低い値を示していますね。
日本赤十字社赤十字血液センターによれば、献血後、血液が回復するまでの期間について「循環血液量は、3~4時間以内に元に戻る。構成する血液成分の中では、赤血球の回復がもっとも遅く、約3~4週間かかる」としています。
このような献血による影響なのか、ほかに病気が隠れていないのか、指示通りに精密検査を受け、ご自身の健康を大切にしてほしいと思っています。
受診先は、かかりつけ医がなければ、一般内科となります。必要時、総合病院の血液内科が紹介されます。健診結果のデータを持ってご相談ください。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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