腫瘍マーカー「CEA」の数値が高く、がんなのではと不安

腫瘍マーカー検査の1つである「CEA」を受け、その結果が基準値を超えていたとのこと。腫瘍マーカー検査は、あまりなじみがないので、不安な気持ちになられるのもごく自然なことと思います。

私たちのからだは、どこかに腫瘍ができると、血液中、尿や便などの排泄物中に、たんぱく質や酵素などの特別な物質が増えます。その特別な物質を測定するのが腫瘍マーカー検査です。血液で調べることができ、受診者の負担は比較的少ない検査です。

なお、腫瘍マーカー検査が高値であったとしても、あくまでも疑いの範囲であり、腫瘍が確実にあることを示すものではありません。また、悪性・良性の区別もできず、臓器の特定もできません。

CEAは人の大腸粘膜でも産生されていますが、通常、CEAは健康な人の血中には検出されません。一般に、大腸、胃、肺などにできる腫瘍がある場合に数値が高くなります。肝炎や肝硬変、胃潰瘍、糖尿病、喫煙などでも高値を示すことがあります。CEA高値の場合、消化管のがんも疑われますが、良性の消化器疾患のこともあります。

今後は、再検査や精密検査、要経過観察（経過観察の時期の記載がなければ１年後に検査）など、受診をすすめる判定の指示があれば、そのとおりに対応してください。判定の指示が不明なときは、受診した健診機関へ問い合わせるとよいでしょう。もし心配で、医療機関の受診を希望する場合は、ひとまず内科か、できれば消化器科、胃腸科を標榜する医療機関を受診するとよいでしょう。