酵素の減少を食べ物で補ったほうがいい?

2021/12/21
年をとると体内の酵素が減ると聞きました。食べ物で酵素を補ったほうがよいでしょうか。
この質問への回答
保健同人フロンティアメディカルチーム
加齢により消化酵素の分泌は低下するため、脂肪の消化・吸収が不十分になりやすいことはわかっています。ただし、結論からいえば、加齢で減少した酵素を食べて補うべきかどうかは、根拠があいまいと考えられます。
酵素は体内でつくられるたんぱく質で、数多くの種類があります。それぞれの酵素は、消化や呼吸、代謝など、さまざまな体内活動をスムーズに行う働きをしています。
一方、私たちが食べ物から摂取したたんぱく質は、胃や小腸で消化され、アミノ酸に分解されて吸収されます。酵素もたんぱく質ですから、食べ物から摂取しても、消化・吸収の際にアミノ酸に分解され、酵素のままの吸収は考えにくいのです。
また、酵素は温度やpHの変化によって活性が失われることから、pHの低い胃液にさらされた酵素が体内で作用するかどうか、定かではありません。
さらに、吸収されたアミノ酸は、体に必要なたんぱく質をつくる材料になりますが、どの種類のたんぱく質をどれくらいつくるかは、DNAの情報で決まります。体外から摂取した酵素のたんぱく質が、体内で再び酵素になるかどうかはわからないと考えるのが一般的でしょう。


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