Question

健康診断で心電図T波に異常が。検査すべき?

会社の健康診断で、心電図T波異常の結果でした。血圧などの異常はなく、初めて心電図でひっかかりましたが、検査をしたほうがよいのでしょうか?

女性/30代

2022/08/05

Answer

心臓は、定期的に収縮をくり返すことで全身に血液を送り出し、この収縮は心臓にある洞結節という部分が電気刺激を発生させ、心臓のなかの一定のルートを通って心房と心室を収縮させています。

心電図は、その電気的興奮をからだの表面につけた電極で捉えて波形に記録したものです。心電図の波形は、定形をくり返し、その波がP、Q、R、S、T波と呼ばれます。この波形の形やタイミングをみて、どのような異常が起こっているのかを知ることができます。


T波は、通常は小さな山型をしている波形で記録され、その異常には大まかに分けて以下の3パターンがあります。

●陰性T

通常山型のT波が谷のようにへこんだ状態。心筋梗塞、高血圧、心筋症による心肥大、脳内出血などでみられる

●高いT波

通常山型のT波の高さが通常より高く尖鋭化することで、高カリウム血症(腎不全など)や心筋梗塞の発症直後、僧帽弁狭窄症などでみられるが、健康な若年層にみられる場合も

●平低T

山型のT波が平坦になった状態で、心筋梗塞や左室肥大ではST部分の異常を伴ってみられる。健常な女性や肥満の人にもみられる


心臓は1日10万回もの拍動をくり返していますが、必ずしも規則的とは限りません。さまざま生理的な変化や病的な原因でイレギュラーな拍動となることもあります。そのため、今回の検査でのT波異常が病的なものでないかの判断が重要です。健康診断の判定には、自覚症状も合わせて検査内容のすべてをみて総合判定をしています。


ご相談者は、若い女性で血圧も異常がないなど、一般的には心臓の異常の心配は低いと思われます。しかしもし、今回の健診結果の総合判定で再検査や精密検査をすすめられている場合には、循環器内科の受診が必要です。また、胸にかかわる自覚症状がある場合にも受診が安心です。

病気が発見されれば、その結果に合わせた食事や運動などを含めた生活指導を医師から受けることになります。結果が病的なものでなければ、日常生活は通常どおりの健康管理(寝不足や疲労をためない、規則正しい生活、減塩、適正カロリーの食生活、適度な運動、ストレスを解消する)を行うことで構いません。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

本サービスに掲載される情報は、医師および医療専門職等の監修の元、制作しております。監修者一覧および元となる情報はこちらからご参照ください。
みんなの家庭の医学 アプリイメージ
アプリでも

みんなの家庭の医学

歩数ゲームやデイリーアドバイス、無料健康相談が利用可能

QRコード

※ご所属先が本サービスを契約いただいている場合のみご利用いただけます。