Question

胆のうの摘出後、よく下痢をする。注意点は?

2年前に胆石の手術で胆のうを摘出してから、よく下痢をするようになりました。とくにアルコールが入るとよくないようです。生活習慣で気をつけること、受診の必要性などについて教えてください。

男性/50代

2022/06/25

Answer

胆のうを摘出すると、腹痛、便が緩くなる、食欲低下、吐き気などの不快な症状が出てくることがあります。これは、胆のうが食物の消化吸収において2つの大きな役割を担っているからです。

1つは、肝臓でつくられた胆汁をためて濃縮する役割です。もう1つは、胃で消化された食物が十二指腸に送られるとき、タイミングよく胆のうが収縮し、胆管を通して濃縮した胆汁を十二指腸へ送り出すことです。胆汁は、食物中の脂肪を効率的に消化吸収させる働きがあります。胆のうを摘出すると胆汁を濃縮できず、食事に合わせて胆汁を送り出せなくなるため、腹部の症状が現れやすいのです。


一般的に、症状を軽くするには規則正しく(1日3食をほぼ決まった時間にとる)、脂肪の少ない食事、バランスのとれた食事を心がけることが大切です。肉・魚などの食材選びや調理方法で脂肪の摂取量を減らせるので、そのポイントを紹介します。

●肉は、脂身が少なく、赤身が多いものほど低脂肪。部位はももやヒレがおすすめ。鶏肉は皮を取り除いたものやささみがよい

●魚は、脂ののりが少ないものを。マグロの赤身や、白身魚がよい。青背の魚は脂がのっているものの、DHAやEPAが含まれるため、適量をとるとよい

●調理方法は、油を使わず、食品中の脂肪を落とすのがポイント。揚げものよりも、蒸しものや焼きものがよい。網焼きやオーブン焼きにすると、材料に含まれる脂肪が落とせる


また、アルコールやカフェインの摂取は、下痢の原因となります。胆のうを摘出していなくても、飲酒後は下痢の症状が現れるので、量を減らすなど、極力控えることが望ましいです。まずは食事や飲酒などのポイントを心がけ、症状の変化を観察してみてください。


受診の目安は、痛みや下痢の症状がつづく、症状がくり返される、痛みが強くなるなど。ほかに吐き気や嘔吐などの症状が出る、または症状に広がりがみられるような場合も、早めに受診するようにしましょう。その際、症状および症状の変化やその期間、症状を増悪させるような因子、疑問点や心配点、症状への対処法について聞いてみてください。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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