Question

くり返す手足の指の関節の痛み。原因は?

一年ほど前から足の指、足首、手の指の関節が痛くなり検査をしました。結果はリウマチではなく、軽度の頸椎椎間板ヘルニアがみつかりました。治療するほどではなく、気をつけていたところ、最近また手足と足首の関節が痛むように。ときにはひどく痛むこともあります。何が原因でしょうか?

女性/40代

2022/06/07

Answer

背骨は重たい頭を支えているので、もともと負荷がかかりやすい状態にあり、さらに姿勢などの影響もあり、大きな負荷がかかっています。椎間板は、クッションの役割を果たすなど背骨の動きをサポートしています。椎間板ヘルニアは、その椎間板が後方に飛び出した状態で、30~50代に多く、特に原因もなく発症することもあり、発症のメカニズムは現在も不明です。


頸椎椎間板ヘルニアは、椎間板が飛び出す状態により、症状および治療方法が異なります。脊髄から首や肩、腕に枝分かれしている神経がダメージを受けている状態を神経根症、脊柱管の中を通っている脊髄がダメージを受けている状態を脊髄症といいます。

神経根症の自覚症状は、首や手、腕の痛み・しびれがおもに片側に現れ、急に発症する傾向があり、薬物療法などの保存的治療(手術治療以外)を行います。頸椎椎間板ヘルニアなどによる神経根症の場合、痛みが強い時期は、患部の安静保持を心がけ、頸椎カラーなどの装具を使用することもあります。鎮痛消炎剤の服用や、神経ブロック注射などで積極的に痛みを和らげる治療を行い、必要なときには牽引療法を行うこともあります。加えて、生活動作の癖を改善して症状緩和を図ります。


頸椎椎間板ヘルニアの場合、ほとんどは2カ月以内につらい症状は治まっていくようです。痛みは2~4週間ほどでおおむね消失し、その後の1カ月ほどはしびれが続きます。痛みでつらい時期は、痛みを和らげる積極的な治療で症状を抑え、苦痛の少ない生活を送る工夫が大切です。


一方、脊髄症は、手・足のしびれや、歩きにくさ、ボタンがかけづらい、箸が使いづらいなどの動かしにくい症状のほか、排尿障害など、広範囲に影響が現れる傾向があります。保存的治療での症状の改善が難しいことが多く、上肢・下肢の筋力の低下が持続する、歩行障害・排尿障害などを伴う場合は、手術が検討されます。


頸椎椎間板ヘルニアの一般的な症状は、しびれや痛みですが、手足のしびれ症状が続く場合は、注意深く症状を観察し、手足の動きが悪くなる、ほかの症状が現れるなど悪化の兆候があった場合は、速やかに整形外科や脳神経外科領域の脊髄外科を受診しましょう。なお今回のケースでは、頸椎椎間板ヘルニアの症状の再発も考えられます。再度主治医を受診し、相談するとよいでしょう。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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