Question

膝蓋大腿関節症への対処法は?

左のひざに痛みがあり、整形外科を受診したところ、膝蓋大腿(しつがいだいたい)関節症と診断され、リハビリ治療を受けています。選択肢として手術治療もあるものの、入院とリハビリで1カ月ほどの期間が必要になるので難しい状況です。ほかによい対処法はありますか?

男性/40代

2022/05/25

Answer

ひざには2種類の関節があり、腓骨大腿関節(一般的に膝関節といわれる部位)と、膝蓋大腿関節(膝蓋骨と大腿骨の間の関節)があります。関節を構成する骨の表面には軟骨があり、関節が動く際の衝撃を吸収するクッションのような役割があります。膝蓋大腿関節症は、加齢や膝蓋骨脱臼などが原因で軟骨がすり減ったり、骨が変形して炎症が起こり、違和感や痛み、ひっかかり感などの症状が現れます。


診察では症状の特徴や、関節の動きを確認します。X線検査で、骨の状態や位置、関節のすき間から軟骨の量を判断し、骨棘(こっきょく:長年の負担がもとでできる余分な骨)を確認します。また、必要に応じてMRI検査をすることもあります。治療法には、保存的な治療と手術があります。保存的な治療は、安静を保ち、痛み止めの内服薬や外用薬を使い、炎症や痛みを抑えていきます。加齢が原因の場合は、関節内にヒアルロン酸の注射をすることもあります。膝蓋骨脱臼が原因の場合は、膝蓋骨の支えをより強くするため、ひざの周囲の筋力を鍛えると効果が期待できます。脱臼をくり返し起こす人もおり、脱臼予防の装具を使う場合もあります。保存的治療で効果がない場合、手術を行うことがあります。加齢による変化などの場合は、人工関節置換術が検討されます。膝蓋骨脱臼の場合は、骨の変形や症状の程度によって膝蓋腱をずらしたり、脱臼を予防するための手術を行うこともあります。


今回のケースでは、生活面で支障を感じていること、症状を緩和する治療の選択肢や筋力を強化する方法などについて、再度、主治医と相談することをおすすめします。また、職場の健康管理を行っている産業医や保健師、あるいは上司に相談のうえ理解を求め、治療に専念できるよう配慮してもらう選択肢もあると思います。



回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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