Question

便秘の赤ちゃんへの浣腸の仕方

便秘がひどいのですが、こより浣腸とか、薬の浣腸とかいうものがあると聞きました。どうやったらよろしいのでしょうか。(9か月|男児)

女性/30代

2021/12/21

Answer

排便が毎日あればよいのですが、2日とか3日に1回の子もたくさんいて、お母さんたちは便秘かどうか、と心配されます。大切なことは、赤ちゃんが排便にとても苦労しているか? おなかがとても張っているか? 便が出ないためにミルクや母乳などの飲みや食欲が落ちているか? といったことです。そういうことがなければ排便の間隔があいていても、便秘と考えなくてもよいと思います。1歳ごろに離乳食を卒業するまでは、食事も変化しますので、排便の習慣もいろいろにかわります。お尋ねの9か月の赤ちゃんの場合も、いまは便秘だとしても自然によくなることがとても多いのです。ですからひどい便秘でないかぎり、この月齢では便秘の薬を飲ませるというより、2~3日の間に便が出なかったら、そのたびに排便を助けてあげるのがよいと思います。そのための方法のうち、いちばん簡単で有用なのは、肛門刺激です。こより浣腸というのもその一つです。ティッシュペーパーをよって、その先端で肛門をくすぐる方法です。それにより自力の排便をうながすわけですが、うまくいかないこともあります。代わりに、ベビーオイルやオリーブオイルを塗った綿棒を肛門の中に少しずつ入れてゆき、1cmぐらいの深さで先端を前後方向や肛門の縁に沿ってまるく動かしてみると、自力で力んで、たいてい排便してくれます。その場合、赤ちゃんをあお向けに寝かせて片手で両足首を持っておなかの上に軽く乗せる姿勢で行うとやさしくできます。私は、綿棒でなくふつうの体温計にベビーオイルやオリーブオイルを塗ったものを使っています。体温計はちょうどよい太さで先がまるく、オイルを塗ると綿棒よりもさらに滑りがよくなって肛門を傷つけにくいからです。便が出るときに勢いよく飛び散ることがありますから、広めに紙を敷くなどの準備をしておきましょう。市販の浣腸(グリセリン浣腸)は、上記で説明した肛門刺激で成功しなかった場合に使ってもよいと思います。グリセリンは、赤ちゃんなら5~10ml(目分量でよい)が目安ですが、からだに吸収されないので、量は多くしても副作用の心配はありません。肛門刺激も浣腸も「くせ」になるという心配はありませんので、赤ちゃんが苦しそうにしているときには、ぜひやってあげてください。

回答者

福島県立医科大学 甲状腺・内分泌センター センター長 

横谷 進

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