赤ちゃんの性別が「男の子か女の子か、はっきりわからない」といわれた
性器が男の子のようでもあり、女の子のようでもあり、性別がはっきりしていません。どこに相談したらいいのでしょうか。(生後10日)

男性/30代
2021/12/21
1つの受精卵から、大部分の場合は男女いずれかの身体が形づくられます。その最初の過程は、受精卵がどういう染色体から成り立っているかによって決まります。ふつうは46本ある染色体の中にY染色体があれば精巣が、Y染色体がなければ卵巣ができます。精巣から出されるホルモンは男子の内性器と外性器をつくり、精巣からのホルモンがなければ、女子の内性器と外性器が形づくられます。このようにして、染色体の性が性腺(精巣と卵巣)の性を決め、性腺の性が性器の性を決めています。しかし、まれには染色体の性と性腺や性器の性が一致しないことがあり、これを医学用語で性分化疾患と呼んでいます。ご質問のように外陰部が男女のいずれとも決めにくい場合も性分化疾患に含めて考えることができます。性腺と性器の性別が完成するまでにはとても複雑でたくさんの要素がからんでいるので、その原因を知ることは、必ずしも容易ではありませんが、調べることがぜひとも必要です。それによって対応の方針がまったく異なるからです。しかも、社会的性別(出生届に記載する性別)は緊急に決めなければなりません。それを変更することはさまざまな深刻な問題をともなうので、出生届の性別の記載をぎりぎりまで延ばしても、納得できる適切な性別を選択すべきです。それには、小児内分泌科というホルモンを専門にしている小児科医を中心にして、できれば泌尿器科、婦人科、カウンセラーなどがチームで診療にあたれる病院を1日も早く受診することがすすめられます。病院の主治医にお願いして、そのような施設を紹介してもらってください。
回答者
福島県立医科大学 甲状腺・内分泌センター センター長
横谷 進
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