単身で知らない土地に。仕事や家族が心配

ご家族と離れ、慣れない土地で1人暮らしを始められたのですね。生活のためとはいえ、仕事の環境が大きく変わり、心の支えである奥様やお子さんと会えない状況なのですから、どれだけつらい思いをなさっているかとお察しいたします。

現在あなたは社内での人間関係がうまくいかないこと、仕事の失敗がつづいていること、ご家族のことが心配であること、ご自分のことを情けなく思われていること、睡眠や食事が十分に確保できていないことなどに悩まれ、まさに何重もの苦痛に押し潰されそうになっているようです。大変な状況ですが、気持ちを楽にするために少し問題を整理してみましょう。

まず、会社の人と馴染めずに悩んでおられますが、風習や方言の違いから居心地の悪さを感じてはいないでしょうか。そのように気後れしますと、どうしてもコミュニケーションを図るきっかけが遠のいてしまうものです。挨拶だけをきちんとすることでよいのだ、とご自分に言い聞かせ、そこから始めてみてはいかがでしょうか。

また、お仕事に関しても最初から完璧にこなせる人などいないはずです。これまで仕事の経験を重ねて来たのに、わからないことがあること自体を恥ずかしいと思ったり、周囲に聞きづらいと思ったりしているかもしれませんが、聞くは一時の恥、聞かぬは一生の損とも申します。

ご家族のためにがんばっているご自身のことを認めてあげて、失敗しても臆せず、次に向けて改善すればよいのだ、と気持ちを切り替えてみるとよいかもしれません。

ただ今回いちばん心配なのは、あなたがストレスのために、食事や睡眠が十分に確保できなくなっていることです。休養や栄養がとれない状態がつづきますと、お気持ちがますます不安定になり、ご自分を責める気持ちも湧いて、悪循環を招く場合があります。

からだを守るために、夜更かしせず早めに布団に入ることや、好きなものを少量でも食べることを心がけてくださいね。それでも、もし2週間以上にわたって睡眠や食事がとれない状態がつづくようでしたら、心療内科やメンタルクリニックを受診して、つらい気持ちや症状を医師にご相談なさり、お薬の力を借りて体調を整える必要があると考えます。

また、つらいお気持ちを1人で抱えないことも重要です。ご家族やお子さんには電話やメールをしていらっしゃいますか。ご家族を心配していること、なかなか会えなくて寂しいと思っていることなどを、遠慮なさらず話してみてください。

ご家族に気持ちが伝わりますと、それだけで少しずつ緊張がほどけていくこともあります。つらい道のりですが、くれぐれも無理せずにお過ごしくださいね。