肋骨を骨折。治るまで気をつけることは?

先日、浴槽でこけて、右肋骨を強打しました。整形外科を受診したところ、肋骨骨折と言われてバンドを巻いて帰ってきました。日常生活で、治るまで気をつけた方がよいことがあったら教えてください。
この質問への回答
保健同人フロンティアメディカルチーム
右の肋骨を骨折し、バンドで固定していらっしゃるとのことで、日常生活において不自由さを感じていらっしゃることとお察しいたします。
肋骨骨折は、胸を打撲したり、体をねじるような無理な姿勢をしたりしたときにも起こる、胸部では一番多くみられる外傷です。痛みは狭い範囲のみに起こりますが、からだを動かしたり、せきやくしゃみ、深呼吸をするときなどに痛みが強くなります。
治療は、骨折以外に胸壁や肺の合併症がない単純な肋骨骨折では、安静にすること、湿布薬、消炎鎮痛薬の内服、ご相談者のようにバストバンドの装着といった方法がとられます。バストバンドは胸郭の運動を抑え、骨折部分の痛みを軽くするのが目的で、一般的に3週間程度つづけ、痛みがなくなってきたら外します。
治るまでの間の注意点を、生活面を中心にご紹介いたします。
1.バストバンドは、軽く息を吐いた状態で固定します。また、起きている時間帯は、ときどき深呼吸を行うとよいでしょう。痛みのために呼吸が妨げられているので、深く息を吸うことで肺をしっかり広げ、気管支や肺の炎症を防ぎます。患部の上に両手を添え、軽く押さえるようにすると、痛みが強くならずに行えます。
2.患部をぶつけることのないよう、十分気をつけて過ごしましょう。転倒や打撲の危険性がないかどうか、浴室も含めて家のなかを点検してみましょう。
3.寝るときの姿勢は、楽な体勢でよいのですが、血流をよくするためにも、患部を下にする姿勢を長く保たない方がよいでしょう。姿勢を安定させるために、座布団や枕などを活用しましょう。背中に座布団を入れて上体を少し高くする方法もあります。
4.入浴は血流を促し、治癒を促進しますので、医師の許可があればおすすめです。患部はやさしくなでるように洗ってください。
5.痛みが治まっていれば、血流を促すためにも、日常生活のなかで歩くことはよい方法です。医師にどのくらい動いてよいのか確認してみてください。
6.骨の健康のために、カルシウムを豊富に含む牛乳・乳製品をとるようにします。1日に牛乳ならコップ1杯(200ml程度)が目安です。そのほか、骨ごとたべる小魚(しらす干し、ちりめんじゃこ、さくらえびなど)もよいカルシウム源になります。
7.たんぱく質やビタミンD、マグネシウム、リンなどさまざまな栄養素をとるようにします。主食(ごはん、パン、麺)、主菜(肉、魚、卵、大豆料理)、副菜(野菜、きのこ、いも、海藻料理)のそろったバランスのよい食事を心がけましょう。副菜は緑黄色野菜や海藻類を、主菜は大豆料理もとると、カルシウムがとりやすくなります。
8.たばこはカルシウムの吸収を抑制し、アルコールやカフェインのとりすぎは骨量減少のリスクになります。丈夫な骨のためにも、習慣があれば控えましょう。
治療を続けるにつれて痛みが強くなる、皮膚の色が悪くなる、痰やせきが出てくる場合には、早めに主治医に相談してください。
ご相談者の病状が一日も早く回復しますように、心よりお祈り申し上げます。


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