Question

昔の怒りを思い出して怒りが収まらなくなる

ふとしたときに、昔腹が立ったことや嫌な思いをしたことを思い出し、怒りが収まらなくなります。いつもその場では怒りを出せずに(感じていないときも)、後で思い出してがまんができず、関係のない子どもに当たり散らしてしまいます。職場でも人に気を使い、腹が立っても何ひとつ言うことができません。どうすればよいでしょうか?

女性/40代

2022/01/28

Answer

過去の嫌なできごとをふとしたときに思い出し、怒りを感じてしまうのですね。その気持ちを本当に伝えたい相手には伝えられず、お子さまに当たってしまうとのこと。ご自身としてもつらいでしょうし、さらに自分を責めてしまうのではと心配しています。


人に配慮するということは対人関係上、大切なことですが、自分の気持ちや考えを表現せずにがまんしたり、遠慮していると、不安やストレスを感じやすくなります。過去のできごとを思い出してしまうのも、そのときどきの気持ちがうまく解消できなかったからかもしれません。


言いたいことが言えない背景には、どんな気持ちがあるのでしょうか。相手を怒らせてはいけない、人を批判してはいけない、その場の空気を壊してはいけない、自分には言う資格がないと思ってしまう、など。ほかにもさまざまな要因が考えられそうです。どれがあなたに適切かはわかりませんが、背景にある気持ちを自分である程度つかめた方が楽かもしれません。


一方、自分の気持ちがより相手に伝わりやすい話し方もあります。一般的に、相手を主語にして話すと、相手を批判しているように捉えられがちですが、「私」を主語にすると、相手は非難や否定と感じにくいと言われます。


例えば、相手が約束の時間に遅刻してきた場合、相手を主語にする言い方は「(あなたは)また遅刻したのね。あなたはいつもそうなんだから」となるかもしれません。これを「私」を主語にすると「あなたが遅れてきて(私は)とても残念だわ。次からは遅れないようにして欲しいな」となります。相手を責めずに、自分の残念な気持ちを伝える言い方です。


とは言え、いきなり自分の気持ちを表現しようとしてもなかなかむずかしいことと思います。まずはスモールステップで、言えそうな場面、相手に少しずつ自分の気持ちを伝えてみてはどうでしょうか? 最初から苦手な場面や人に立ち向かう必要はありません。仕事上の付き合いのみの上司や同僚より、仲のよい友人や家族の方が気持ちを伝えやすいのではないでしょうか?


ごく小さな不快感や、この人なら何とか言えるかもと思える簡単な場面から、少しずつ練習していってみてください。相手を批判するのではなく、認める内容から始めてみるとよいかもしれません。いつもでなくとも、ある程度自分の気持ちを率直に伝えられるとよいですね。小さな成功体験の積み重ねで、少しずつ気持ちを伝えられる場面が増えていくはずです。


もう1点、気持ちがうまく解消できなかったり、怒りが湧いてきたときの対処法も考えてみましょう。簡単な方法としては、今やっていることの手をひとまず止めて深呼吸する、意識してリラックスする、数を10数えるといった方法があります。お子さんと一緒のときであれば、お子さんに一声かけて、その場から離れるのも1つの方法です。


他人の気持ちと同じ様に自分の気持ちも尊重することは、心身の健康にとってとても大切なことです。あなたが少しずつでも、ご自分の気持ちを表現できる様になれるよう祈っています。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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