花粉症の免疫療法について教えてください

飲み薬によるスギ花粉症の免疫療法は、医師の指導の下、舌下にアレルギーの原因となるアレルゲンを低濃度、少量から投与。徐々に量と濃度を上げていくことで、アレルゲンに対する過敏性を減少させていく治療法です。

用法としては、成人及び12歳以上の小児に対して、投与開始より２週間目までを増量期として、1日1回、決められた量（0.2mL～１mLを徐々に増量）の薬液を舌下に滴下し、2分間保持した後、飲み込み、その後5分間はうがい・飲食を控えるというものです。3週間以降は維持期として、1日1回、 1mLを舌下に滴下します。

完全に治る（根治）率は10～20％程度で、70～80％の患者さんで有効とされます。スギ花粉の本格飛散が始まる3か月以上前から治療を開始すると効果的なため、6月から11月に治療を開始するのが望ましいでしょう。舌下免疫療法では、初年度より2年目、2年目より3年目以降で効果が高くなるので、3～5年間続けることがすすめられます。

毎年、花粉症に時期に症状がひどく、たくさんの薬を服用しなければならない人、スギ花粉症で悩まされることが不安な人、受験や就職などの大切なイベントを控えている人、将来妊娠したときにアレルギーの薬が使えないことが不安な人などは、舌下免疫療法が適していると考えられます。専門医によく相談するとよいでしょう。