Question

化膿性脊椎炎とはどんな病気?

母が「化膿性腰痛炎(かのうせいようつうえん)」と診断されました。どんな病気ですか?

女性/50代

2022/01/28

Answer

お母様が診断を受けられたとのことで、ご家族としてもご心配だとお察しいたします。ご質問の「化膿性腰痛炎(かのうせいようつうえん)」は正式名称ではなく、脊椎の腰椎部分の化膿性脊椎炎(かのうせいせきついえん)との診断ではないかと思いますので、今回はその説明をいたします。


化膿性脊椎炎は、背骨が細菌感染した状態の病気です。背骨は椎体という骨が連なり、椎体と椎体の間に緩衝材の役割をする椎間板があります。脊椎炎は、椎体や椎間板が細菌に感染し、炎症を起こした状態のことです。化膿性脊椎炎は、免疫機能が低下している人に発症しやすく、中・高齢者の患者さんが増加しています。近年の高齢化や、がんの手術後や抗がん剤治療、糖尿病、肝硬変など、感染しやすい状態の患者さんが尿路や呼吸器などの感染から血行性に細菌感染を起こします。


化膿性脊椎炎は以下の通りに分類されます。

・高熱と強い背部痛や腰痛が急激におこる急性型:比較的早期に診断が可能

・37℃台の微熱の亜急性型、背部痛など局所症状だけの慢性型:高齢者や入院患者さんに

多く、診断が遅れることがあります。

化膿性脊椎炎の症状は、発熱や炎症による背部痛・腰痛など患部の痛みがおもですが、発熱がないこともあります。椎体の破壊(つぶれ)やたまった膿が神経を圧迫して手足のしびれや麻痺を起こすこともあります。原因となるのは、黄色ブドウ球菌が多くを占めます。


化膿性脊椎炎は、初期にはX線検査では異常を認めないため、早期診断にはMRI検査が有効です。MRI検査は診断のほかに病巣の組織採取の判断、治療効果の判定でも行われます。細菌などが原因の感染症であるため、血沈やCRPなどの血液検査も行われます。

感染の原因の細菌の確定診断には、患部の組織を一部取り、組織の培養や血液の培養検査を行います。病巣の一部を採取して検査しますが、細菌が検出されないこともあります。


治療の基本方針は、早期診断と原因菌の確定による速やかかつ有効な抗生物質の投与、コルセット固定による脊椎の安静保持などの徹底した保存的治療が原則で、早期の治療開始が最も重要です。多くはこれで良好な経過をたどり、ほとんどのケースで手術は不要です。

早期の保存的治療でも病状が改善しない場合や、椎体の破壊が進んで麻痺を生じた場合には、手術療法の対象となります。骨の破壊が進んでいる場合や特殊な細菌が原因の場合は、治療が困難になることもあります。


ご相談者様のお母様の療養については、患者さんの個々の状態によりますが、通常は原因菌の把握とそれに合う抗生物質の投与、患部の安静を保つことがまずは大切だと思われます。担当の医師から病状や治療方針など、不明な点について直接説明を受けられてもよいと思います。お母様が一日も早く回復なさいますよう願っております。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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