Question

治療中でも痛む右肩腱板の断裂。今後の経過は?

右肩の腱板断裂(1本)と診断され、飲み薬と肩への注射治療を受けています。手術は必要ないとのことですが、上腕と肩が痛みます。寝返りやちょっとした動作でも痛く、不眠がちです。今後どのような経過をたどるのか、また痛みやからだの動きはどうなるのか、教えて下さい。

女性/70代~

2022/01/28

Answer

右肩の腱板の1つが断裂との診断を受けられ、手術は不要で内服薬や注射などの治療を受けているとのこと。日常生活ではふつうに手を使われていても、痛みのために睡眠などに支障が出ているのですね。腱板断裂後の一般的な経過についてご説明します。


腱板断裂は、肩関節の腱である腱板が損傷や断裂している状態です。筋肉が骨に接着する部分は、筋肉より硬い筋状の組織「腱」が骨に接着してつながっています。肩関節の腱板は4つの筋肉から構成され、これらの筋肉が合わさって幅広い腱となっているため、腱板という名前がついています。腱板は肩の動きと安定に重要な役割を果たしています。


肩腱板断裂には、一部切断の「不全断裂」と完全に切断する「完全断裂」があります。若年者ではスポーツによる腱板断裂が多く、中高年以降ではふだんの生活の中で発症することが多いようです。


肩腱板断裂の原因は、40歳頃からの加齢による腱板の弾力の低下に伴って、特にきっかけがなくても発症する場合や、重い物を持つなどの作業やスポーツで肩に強い衝撃を受けるなど、肩への負担の大きい方に起こりやすいようです。


肩腱板が損傷すると、炎症が起き、夜間痛や肩を動かした時の強い痛みや運動痛などを自覚しますが、多くの患者さんは肩の挙上は可能です。肩腱板の損傷から時間がたつと、腱板に付いている筋肉の働きが落ちるため、一般的には痛みのほかに手に力が入らない感じ(脱力)、可動域が狭い感じ(肩が上がらない・回らない)などの症状もみられるようになります。


治療は手術と保存療法があり、保存療法では、内服薬・注射療法などの薬物療法と運動療法が行われます。ほかに肩の安静、運動や重労働の制限、運動療法の一環としての筋肉トレーニングなど、日常生活の注意点を主治医から指示されることもあります。


通常、肩関節の腱板のすべてが断裂することは少ないので、腱板周期の筋肉を鍛え、腱板にかかる負担を軽くするための運動療法は一般的には有効です。腱板断裂の背景に、骨格や姿勢などの影響で腱板に負担がかかることもあるため、肩関節周囲の肩甲骨などを中心に体の柔軟性を高める、姿勢を正すなどの注意を要することもあります。


保存療法を行っても肩の痛みと運動障害が改善しない場合は、最終的には手術を検討します。手術は、関節鏡視下手術と通常の手術(直視下手術)があり、関節鏡視下手術は傷が小さく治りも早く、手術後の痛みが少ないなどの利点から広く普及しています。


一方、大きな断裂などで内視鏡手術が困難な場合は直視下手術が選択されます。退院後は通院による経過観察と機能訓練を行いますが、手術後の経過がよい場合でも通常の日常生活の動作ができるようになるには、およそ6カ月かかるとされます。手術を受ける時期や見通しについては、主治医とよく相談しましょう。


回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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