わずかな電波でも健康に悪影響？

弱い電波であっても、健康への悪影響があるとする研究報告があるものの、電波をばく露する条件の厳密さに欠けるなど科学的に確かとはいえず、WHOは、国際的なガイドラインに示された基準値以下で、健康への悪影響を示した研究はないとしています。

身近な電波を使った機器に携帯電話があります。携帯電話が発する電波の強さも基準値以下になっています。2011年5月にWHOの専門機関である国際がん研究機関（IARC）は、電波の発がん性評価を行った結果、携帯電話などの使用について限定的な証拠があったとして、「発がん性があるかもしれない」（グループ2B）に分類したと発表しました。ただし、これについては、一般社団法人電波産業会電磁環境委員会は「電波に発がん性がないと断定することは現時点でのデータからは困難であると示唆したもの」としています。

日本では、科学的知見を基に電波の人体に対する安全性の基準である「電波防護指針」が策定されており、この指針値は国際基準にも準拠しています。総務省では、世界各国で60年以上にわたって研究されているが、指針値以下の電波では人体への悪影響は認められていない、としています。