Question

胸部X線検査の男性生殖機能への影響は?

昨年手術を受け、定期的に胸部X線検査をしています。妻との間に2人目の子どもを希望していますが、男性生殖機能に何らかの影響がありますか?


男性/30代

2022/07/14

Answer

胸部X線撮影での成人男性の生殖腺(精巣)への被ばく線量は、無視できるほど小さいと考えられます。撮影時の放射線被ばくによる不妊や将来生まれてくる子どもへの遺伝的影響などは心配する必要はないでしょう。


胸部X線検査で、胸部の皮膚が受ける通常の放射線被ばく量は、画像1枚あたり、正面像で0.2mGy(ミリグレイ)、側面像で0.5mGy程度です。

男性が一時不妊になる線量は、150mGy、同じく永久不妊になる線量は、3.5~6Gyとなっています。不妊になるのは生殖腺が上記の線量を被ばくした場合だけで、からだのほかの部位を被ばくしても不妊にはなりません。ただ、精巣などの生殖腺に放射線を受けた場合、精子の数を減らすため、精液中に精子が少ない状態(乏精子症)や精子がない状態(無精子症)になることがあります。治療終了から数年後に精子形成が回復することもありますが、照射される放射線の量が多いと回復が難しくなります。


定期的に胸部X線撮影をくり返しても、生殖腺被ばくが問題になることは、まずありません。放射線被ばくによる影響を心配するより、しっかり検査をして経過を観察することのほうが大切です。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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