Question
花粉症の鼻誘発テストとは
花粉症の鼻誘発テストについて教えてください。
女性/40代
2022/01/28
Answer
皮膚テストや血清抗体検査で抗体の存在がみられても、以下の①~③のような理由から、直ちに陽性を示した抗原を花粉症の原因であると診断することはできません。
① 抗体の量がまだ少ないと、肥満細胞からのヒスタミンなどの遊離が起こらないので、花粉抗原が鼻粘膜や目の粘膜に入っても症状が出ない。
② 抗体の量が十分でも、粘膜に肥満細胞が少ない場合は発症しないことがある。
③ スギ花粉以外の抗原に対するIgE抗体が多い場合にも、その抗体が肥満細胞を占拠しているため、スギ花粉が入っても発症しないことがある。
鼻誘発テストは、鼻の粘膜に抗原ディスク(抗原エキスをしみ込ませた紙片)を貼りつけて、鼻の反応をみるテストです。鼻に入れた抗原がアレルギーの原因になる抗原であれば、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなど、アレルギー性鼻炎の症状が出ます。
反応が陽性であれば、発症抗原と診断されますが、反応が陰性であれば、発症抗原である可能性は疑わしいことになります。
日本で鼻誘発テストに用いられている診断用抗原は、ハウスダスト/ダニとブタクサ花粉抗原の二種類だけです。それ以外の抗原については、一般には皮膚テストや血清抗体検査で陽性を確かめた上で、その花粉の飛散の時期に症状があるかどうかで確認します。
眼科における同様の検査として、目に直接、花粉や抗原エキスを点眼して反応をみる「眼誘発テスト」があります。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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