花粉症の舌下免疫療法とは
花粉症があります。減感作療法(アレルゲン免疫療法)の舌下免疫療法について教えてください。
女性/40代
2022/01/28
減感作療法は、従来から、アレルゲンを含む治療薬を皮下に注射する「皮下免疫療法」が行われていましたが、近年では治療薬を舌の下に投与する「舌下免疫療法」が登場しました。
医師の指導下に治療が行われることには変わりありませんが、自宅での服薬が可能となり、注射による痛みもないので、患者の負担が軽減されることから、花粉症で悩む方の関心が高い治療です。
現在、スギ花粉の治療薬には錠剤が用いられています。
錠剤(シダキュアシダ花粉舌下錠)は成人及び5歳以上の小児に対して、投与開始後1週間は、スギ花粉舌下錠2,000JAUを1日1回1錠、投与2週目以降は、スギ花粉舌下錠5,000JAUを1日1回1錠、舌下にて1分間保持した後に飲み込み、その後5分間はうがい飲食を控えるというものです。
小児の場合は、舌下投与ができると判断された場合に投与されます。
服用後30分は、特にアナフィラキシー等の発現に注意が必要です。家族など周囲に見守る人がいる場所や、日中の服用が望ましいでしょう。また、服用する前後2時間程度は、激しい運動、アルコール摂取、入浴等を避ける必要があります。
スギ花粉症の皮下免疫療法でアナフィラキシー等を起こしたことがある方や、重症気管支喘息の方、妊娠中の方には投与できません。治療中に妊娠した場合、妊娠・授乳中の安全性は確立されておらず、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与されます。また、β遮断薬やステロイド薬、抗がん剤使用中の方、自己免疫疾患、免疫不全、気管支喘息等の持病がある方は、慎重投与が必要となっています。これらに該当する方は使用に際して主治医とよく相談することをおすすめします。
治療期間は2年以上必要で、3~5年程度継続することが推奨されています。一般的に舌下免疫療法を含むアレルゲン免疫療法では、8割前後の患者さんで有効性が認められています。
なお、この治療法は、副作用等の理由からスギ花粉症のシーズン中には治療を開始することができません。次のシーズンに備えて、早い時期から治療を開始することが必要です。医療機関によっては治療開始時期を指定していることがありますので、事前に直接お問い合わせください。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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