Question

他人と比較して落ち込んでしまう

小さいときから、自分と他人を比較しては「うらやましい」と感じ、落ち込むことが多かったように思います。それは今でも変わらず、職場やプライベートにおいても、同僚が自分より良い成績を上げているのを見たり、華やかな生活をしている友人の話を聞いたりすると、自分が劣っていると感じ、落ち込んでしまいます。

女性/40代

2021/12/21

Answer

人は物心ついたときから、社会という集団のなかで生きています。そのため、人とかかわることなしに生活することはできません。さまざまな場面で多くの人たちと接していると、「他人のことがどうしても気になってしまう」のは当たり前です。そう考えると「人と比較してしまう」のも、ごく自然な気持ちだと思います。「人は人、自分は自分」と頭では理解していても、実際に他人を気にせず生活をすることが困難なのは普通ではないでしょうか。とはいえ、そのことで自分が劣っていると感じ、落ち込むのは、とてもつらいことです。


「人と比較すること」に、あなたは何を求めているのかを考えてみましょう。それは「その人より良い人生を送りたい」と望む気持ちですか。あるいは、「その人より優位に立ちたい」という願いでしょうか。そこにあるのは、単なる「勝ち負け」です。はたして、あなたの現実生活において、勝ったり負けたりを求める必要があるのでしょうか。知らず知らずのうちに「勝ち負け」に固執している自分に気づき、その必要はないと思い直すことで、少しは楽な気持ちになれるはずです。


一見、何不自由なく暮らしていて悩みなどないように見える人が、実は大きな問題を抱え、コンプレックスに苦しんでいることもあります。私たちは、他人のことをすべて知っているわけではありません。そのごく一部だけを見ているに過ぎないのです。このように、限られた情報のなかだけで比較することは、あまり意味がないように思えます。人と比較してしまったときに、「公平でない条件で、比較することに意味はない」と、客観的な視点でとらえ直すことができれば、これまでのとらわれから脱するきっかけになると思います。


あなたは、「他人が持っていて自分にはないもの」ばかりに気をとられ、「他人にはなくて自分にはあるもの」を忘れていませんか。「うらやましい」「ねたましい」という気持ちは嫌なものであり、ついつい否定しがちです。しかし、その感情を裏側から見ると、「もっと成長したい」「自分を高めたい」という向上心の表れととらえることができます。今後は「自分にないもの」にこだわることはやめて、あなたが自信をもっている分野や、これから深めたいと思っているテーマに焦点を当てていくことをお勧めします。


「比較してしまう」ことは、誰もがもっている自然な感情ですが、そこから「自分は劣っている」という気持ちに結び付ける必要はないことがわかります。長年しみついた「心の癖」を変化させるのは難しいことですが、まずは、この二つの思いを切り離して考えることから始め、前へと進むことを目指してみましょう。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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