妻に先立たれ、立ち直れない

突然の病で、妻を亡くしてから半年が経ちました。子どもがいなかったため、30年以上もの間、お互いに支え合うようにして暮らしてきました。今はその支えを失い、魂が抜けたように感じています。このままではいけないと、日課だった散歩を再開しましたが、食事はたまに作るのがやっとです。今の気持ちを、できるだけ手帳に書き留めるようにはしていますが、その悲しみを聞いてもらえる人もなく、途方に暮れています。
この質問への回答
保健同人フロンティアメディカルチーム
長年苦楽を共にし、寄り添って生きてきた大切な存在が、ある日突然いなくなってしまったという現実は、なかなか受け入れられるものではありません。あなたの悲しみ、その喪失感の大きさを思うと、かける言葉をみつけることもできません。しかし、その一方で、「このままではいけない」、「立ち直りたい」と願う強い気持ちが、徐々に芽生えていることも伝わってきました。とても難しい課題ですが、一緒に考えてみたいと思います。
つらい日々の中でも、続けていることがあるのですね。歩くことには、脳の血流を高める働きとリラックス効果があるといわれています。季節の変化を感じたり、新たな街の魅力を発見したりして、思わぬ刺激になることもあるでしょう。食事を作ることも、「無理なく栄養をとる」、「簡単に作る」などを目標にすることで、張り合いができるかもしれません。また、書くことは話すことと同様、こころを浄化させる力があると考えられています。「うまくまとめよう」とせず、そのときの気持ちを、そのまま書き留めることから始めてみましょう。やがて、その過程が気持ちの整理につながっていくと思います。このように、「今できること」を続けることを心がけ、「まだできないこと」は無理をしないことです。
笑顔を心がけていると、自然に元気になれるように、こころとからだと行動はつながっていると考えられています。今のつらい気持ちを動かそうとするのはとても難しいことですが、今できている行動を続けていくことはできるのではないでしょうか。その行動を続けることで、やがてはからだが健やかになり、その先に、心の変化をも期待できると思います。
死別などによる深い悲しみは、時に立ち止まり、後戻りを繰り返しながら、少しずつ乗り越えていくものと考えられています。あなたはまだ、その最初の段階にいるのだと思います。したがって、無理に進もうと焦らなくていいのです。先の見えないトンネルの中にいると、「いつになったら、立ち直れるのか」と不安になるのも当然です。しかし、立ち直るまでの時間は、人それぞれで異なります。「早く元気にならなければ」と焦ったり、立ち直れない自分を責めたり、罪悪感を抱いたりする必要はありません。
あなたが「誰かに話したい」という気持ちを抱いていることは、とても大切です。男性は女性よりも「おしゃべり」が苦手で、感情を出せないまま、我慢して心にしまい込んでいる可能性もあります。「こんな重い話をするのは気が引ける」、「相手に負担をかけてしまう」などと考えず、安心して話せる誰かに素直に打ち明けてみてはいかがでしょうか。また、カウンセリングを利用することで、専門家に遠慮なく気持ちを話すこともできます。一人で悲しみを抱えすぎないでください。そして、ゆっくりと進んでいきましょう。


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