Question

老いていく親を受け入れられない

実家で暮している両親が高齢となり、時間の許す限り帰省しています。両親と会えることはうれしい反面、行くたびに年老いていく両親の姿を見ては、元気でしっかりとしていたときと比較してしまい、とても悲しく切ない気持ちになり、現実をなかなか受け入れることができません。また、どんな接し方をしたらいいのかもわからず、悩んでいます。

男性/50代

2021/12/21

Answer

いつも元気に身の回りの世話をしてくれた母親、厳しくも悪いことを叱ってくれた父親。子どもの頃から持ち続けてきた「親=頼れる存在」というイメージは、いくつになっても無意識に抱いているものです。「親はいつでも元気でいてくれるはず」という思いは、子どもであれば、誰しもが抱く期待や願望なのだと思います。


しかし、人は必ず老いていくものであり、「老い」や「死」は誰にでも平等に訪れるものです。ただ、頭では理解できても、実際、会うたびに衰えていく親を目の前にすると、この現実をどう受け止めればいいのか、動揺し、戸惑ってしまうことでしょう。親が元気で強く、頼りがいがあればあったほど、そのギャップは大きく、不安を覚えつつ困惑してしまうのは自然な感情だと思います。また、日々の忙しさを理由に、親の老いと真剣に向き合うことから逃げているのかもしれません。


 まず、ご両親への接し方について考えてみましょう。たとえば、認知症を連想させるような物忘れなどの言動に気がつくと、不安のあまり「また忘れたでしょう」と相手を責め、ついには「最近ボケてきたんじゃないの?」などと言ってしまいがちです。しかし、今までできていたことができなくなった現実を、一番つらく感じているのは当の本人です。これほど傷つく言葉はありません。


一方で、心配な言動を見逃さず、早めに対処することは、とても大切です。気になる言動や体調の変化に気づいたら、まずはかかりつけの医師などに相談してみましょう。本人はなかなか気づかない部分もありますし、自覚していても強がったり、子どもに心配をかけたくないと思ったりするものです。何らかの診断を受けた後も、ご両親を病人と決めつけて接するのではなく、うまくできているところは「さすがお母さんだね」、「お父さんにしかできないことだよ」など積極的にほめながら、本人に自信を持たせるようなかかわり方を心がけてみてください。また、うまくできないところは、どのようにサポートしていくかを考えることが必要で、この両面からの視点が大切だと思います。


親が老いていく姿を見ることは、自分が今の親と同じ年齢になったとき、どのように過ごし、どんな生き方をしていくのかを考える機会を、親から与えられたものなのかもしれません。ご両親と接しているとき、自然に自分の将来を重ねていることもあるのではないでしょうか。このように考えると、子どもの頃、親からたくさんのことを学んだように、「老いること」もまた、親が自ら見せてくれて、教えてくれているとも考えられます。親の老いから逃げ出さず直面する体験が、自分の老いをも受け入れることなのかもしれません。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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