突然の母の死を受け入れられない
実家で元気に暮らしていた母が、突然の病に倒れ、あっけなく亡くなってしまいました。葬儀を無事に終え、2週間が経過しましたが、未だに大好きだった母の死が信じられず、現実を受け入れることができません。なかなか寝付けず、食事も満足にとれません。家族も心配してくれていますが、自分でもどうしたらいいのかわかりません。
女性/40代
2021/12/21
最愛のお母さまが突然お亡くなりになったとのこと。その悲しみはいかばかりかとお察しいたします。しかも、突然の出来事なら、なおさらのこと、その事実を受け入れることはできないものです。人は死別などによって大切な人を失うと、大きな悲しみを感じます。その悲しみは、いくかの段階を経て、乗り越えていくものだと考えられています。そのプロセスの代表的なものをご紹介したいと思います。
①あまりのショックに「死」という現実を受け入れられない段階で、心が麻痺してしまったような呆然とした状態です。
悲しみが深すぎて感情が表出できず、涙も出ない様子が、周囲からは冷静に受け止めているように見えることもあります。その一方、パニック状態になって混乱したり、食事や睡眠がとれず通常の生活ができなくなったりすることもあります。あなたはまだ、この段階にいるように感じました。
②「死」を受け止めようとしますが、なかなかできない段階です。
悲しみと寂しさで泣いたり、「なぜ自分だけが苦しむのか」と故人の死の原因を誰かに押し付け、怒りをぶつけたり、会いたいと願うあまり故人が生きているように感じ、振る舞ったりすることもあります。
③「死」を受け止めようとする一方で、混乱したり、絶望したりする段階です。
「故人が死んだのは自分のせいではないか」、「もっと何かできたのではないか」と自分を責めたり、引きこもったりすることもあります。また、不眠や悪夢など、うつ状態に陥ることもあります。
④故人の死を現実として受け止めていく時期で、回復の段階ともいわれています。
故人がいなくても、人生を歩んでいけるという前向きな気持ちが生まれ、生きがいを見つけたり、社会的な関係を築こうと思えたりするようになります。
人の死を受け入れていくという営みは、誰にも起こり得ることです。しかし、それぞれの状況によって、このプロセスには個人差があり、行きつ戻りつを繰り返すこともあります。大切なことは、まず、それぞれの段階について知ることです。そして、あなたが今どの状態にいるのかを自覚し、自分が陥っている状況は「誰にも起こり得る正常な反応」であることを理解することです。決して、自分を責めたり、罪悪感を持ったりしないようにしましょう。
また、つらい気持ちを一人で抱え、我慢しないよう、誰かに話を聞いてもらうことも必要です。カウンセリングなどで専門家に気持ちの整理を手伝ってもらうことも一案です。自分の感情を否定せず、時の流れに身を委ねていく過程を経て、やがてはお母さまの死を受け入れ、さまざまな出来事を懐かしく、いとおしく振り返ることができるはずです。今はまだそこまで想像できないと思いますが、焦らずゆっくりと歩んでいきましょう。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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