多忙な妻にどう接すれば

帰宅時間も遅く、何に対しても興味を持てずにいる奥様を目の当たりにし、さぞかしご心配のことと思います。とは言え、「仕事を休んだら」などと、安易に言葉をかけられないところもあり、どうしたら奥様の気持ちが少しでも楽になるかと、対応に悩まれる様子が伝わってきます。

まず、奥様に対して外出をうながすか、ゆっくりさせてあげるかについてですが、今はゆっくりと休ませてあげましょう。文面から、奥様は多忙のために、身体的にも精神的にも疲れきっているご様子です。そのような状態のときは、なるべく精神的な負担を避け、心身をゆっくり休ませられる環境をつくってあげることが大事になります。

自宅で過ごされるときには、できるだけ家事労働の負担は少なくしてあげてください。また、例えば食事のメニュー作りなど、日常生活の小さなできごとにおいても、考えや判断を求められることは心身の負担になります。何かを奥様に尋ねる際には、「どうする？」ではなく、いくつかの選択肢から選べるようにしたり、ＹＥＳかＮＯで答えられるようにしたりするなど、聞き方を工夫されると、奥様も答えやすくなります。

また、奥様の様子を心配するあまり、仕事について詳しく聞いてみたり、口を挟みたくなったりすることもあるかもしれません。それは、奥様の体調を思えば当然のことです。ただ、心身が疲れているときには、周囲が良かれと思って言ったアドバイスが、本人にとっては“要領が悪い、頑張りが足りない”と言われているように感じてしまうことがあります。ですから、「疲れているみたいだけど大丈夫？」と心配していることを伝えつつ、「何かあればいつでも話を聞くからね」という姿勢を保つことが大切です。そして、奥様が話をしたくなったときに静かに聞いてあげてください。 ただし、改善の見通しが立たない場合や、睡眠や食欲、集中力の乱れなどの症状が2週間以上現れる場合には、体調を少しでも整えていくために、メンタルクリニックなどの受診についても話し合ってみてください。

最後に、大事なことは、あなた自身が無理のない範囲で接していくことです。無理をなさって、あなたが疲れてしまっては元も子もありません。あなたがそうであるように、奥様にとっても、心配してくれるあなたの存在は、かけがえのないものです。それだけでも十分奥様の力になっていることを忘れないでくださいね。