Question

鉄が足りないと貧血になるのはなぜ?

「鉄欠乏性貧血」と診断され、食事に気をつけるようにといわれました。なぜ、鉄が足りなくなるのか教えてください。

女性/30代

2021/12/21

Answer

鉄欠乏性貧血は、体内の鉄が欠乏するために起きる貧血です。肺で取り込んだ酸素を、からだの隅々まで運ぶのが赤血球中のヘモグロビンの役目です。ヘモグロビンは、鉄とたんぱく質で作られ、その原料である鉄が不足した結果、貧血になるのです。


鉄欠乏を起こす主な原因は

①偏った食事などによる鉄の摂取不足

②とくに鉄が必要になる成長期や妊娠期の鉄需要の増大

③出血や激しい運動などによって過剰に鉄が失われた場合

④胃腸障害などによる鉄の吸収不全

とくに女性は、月経などで鉄を失う機会が多いので、鉄欠乏性貧血を指摘される割合が多くあります。


食事面での注意点を紹介します。

・1日3食、バランスのよい食事をとる

食事を抜いたり、量を減らしたりすると、鉄だけでなく、造血にかかわるたんぱく質やビタミンB12、葉酸、鉄の吸収を助けるビタミンCなどの不足を招きやすくなります。主食(ごはん、パン、めん類など)、主菜(肉、魚、卵、大豆製品など)、副菜(野菜、いも、海藻類など)を毎食そろえ、乳製品と果物も1日1回とるようにすると、バランスが整いやすくなります。


・鉄を多く含む食品の摂取をこころがける

動物性食品ではレバー、赤身の肉や魚、あさり、しじみなどに含まれます。植物性食品の納豆や豆腐、小松菜、ほうれん草などに含まれる鉄は、吸収されにくいのですが、動物性たんぱく質やビタミンC(じゃがいも、ブロッコリー、赤ピーマン、いちご、柿などに多い)と一緒にとると、吸収が促進されます。カレー粉、しょうがなどの香辛料や、酢や梅干しなどを利用し、胃酸の分泌を高めることでも、吸収がよくなります。


また、緑茶やコーヒー、紅茶に含まれるタンニンは、鉄の吸収を阻害することがありますが、食事とずらして飲めば影響はないでしょう。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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