優柔不断な自分にイライラしてしまう

昔から物事を選択したり、決断することが苦手なのですね。仕事上ではそれほど時間の余裕があるとは思えませんし、むしろスピードを要求される時勢でもありますから、決断を迫られるたびに必死に考え、悩まれているお姿が目に浮かびます。管理職ともなると、決断を迫られる機会もかなり多いことでしょう。物事の選択や決断が苦手ということについては、元々の性格の影響や、何かの決断や選択に失敗したり後悔したりといった経験が苦手意識に結びついていることもあります。また「完璧にしたい」「失敗したくない」といった気持ちが強いために、選択や決断がむずかしく感じられることもあります。いずれにせよ、迷い決断しきれない自分に対してイライラしてしまうのは、つらく苦しいことでしょう。

今まで、苦手意識を克服するために、ご自身で工夫されてきたことはありますか。対応策として、まず判断するために必要な知識や情報を蓄えておくということが考えられます。逆に知識や情報が多すぎる場合は、整理することも必要かもしれません。おそらく、誰が見ても完璧ですべての要素を満たした判断材料があれば、あなたも迷わずそれを選ぶことでしょう。しかし、現実にはなかなか完璧なものはありませんから、よりよいものを選択しようとして、悩んでしまうのではないでしょうか。

8割くらいを目安にして、すべてと折り合いをつけようとしないこともひとつの手です。その場合、絶対に譲れないものや、判断基準を決めておくと役立つでしょう。どちらも捨て難いということは、もしかしたら、どちらを選んだとしても同じくらいの確率でうまくいくのかもしれません。ご自身で色々と工夫したり試したりして、うまくいったことは、さらに続けていくとよいと思います。失敗してもさほど支障が出ないことは思い切って決断してみたり、または締め切りを設けて対応してみるのもよいでしょう。

これまで管理職としてさまざまな機会に決断をしてきて、うまくいっていることも多くあることと思います。そういった成功体験を思い返すことで、少しずつ自信を積み重ねていくとよいですね。迷ったり決断に悩んだりするということは、短絡的でなく、人に流されるわけでもなく、慎重に考えたうえで決定できているという、あなたの長所ゆえのことだと思います。部下の方々も日頃からあなたの様子を見ていれば、あなたの下す決定にも信用をおいているのではないかと感じました。イライラしたときはひと呼吸おいて、もう一度冷静に考えるようにしてくださいね。