Question

自分の家なのに居場所がない

私には妻と小学校高学年の子どもがいます。仕事で帰宅が深夜になることが多く、妻や子どもと会話をする時間があまりとれません。たまの休みに疲れた体を押して家族団らんの時間を作ってはみたものの、何となくちぐはぐな、空回りしているような雰囲気になってしまいます。自分の家なのに微かに居心地がわるく、居場所がないような気持ちになります。自分の居場所を作り、安らげる家庭にするために、家族に対しどのように接すればよいのでしょう。

男性/40代

2021/12/21

Answer

毎晩遅くまで仕事に励み、たまの休みにはふだん時間がとれない埋め合わせに奥さんとお子さんのために家族サービス。文句のつけどころのない“よいお父さん”ではないでしょうか。限りある時間の中で、精一杯のことをされていると思います。一方で、行動は空回りし、結果的に居心地の悪さを感じていらっしゃるとのこと。せっかくの行動も功を奏さず、「自分の家なのに・・・」とぼやきたくなるお気持ちは痛いほどによく分かります。疲れた心身を癒すこともできず、本当につらいところですね。


さて、ご相談を読んでひとつ気になった点を挙げるとすれば、「家族団らんの時間」の過ごし方です。詳しいことは書かれていませんが、あなたが無理のない範囲で団らんしているかが気になりました。「疲れた体を押して」とありますが、疲れた顔を浮かべながら、あなたが思い描く“家族の団らん”の理想絵図に近づけようと、必死になっているのではないかと、いささか心配です。


家族にとって大好きなお父さんや夫であるあなたが、家族と過ごす時間を大切にしてくれることは嬉しいものです。ただ、それが無理をしているのであれば、純粋に喜ぶことはむずかしいのではないでしょうか。例えば、ピクニックや遊園地などに出かけたとしても、お子さんは疲れているお父さんを気遣い、遊びたい欲求を抑えてしまうかもしれません。一方で、父親であるあなたとしては家族に何とか喜んでもらいたいと、多少疲れていても一緒に遊ぶことを誘いますよね。このように父と子がお互いを気遣い、自分の心に無理をしている状態こそが、ちぐはぐな雰囲気を作り出しているような姿を思い浮かべましたが、いかがでしょうか。


まず、安らげる家庭を作るためには、あなた自身が肩の力を抜いてみましょう。「“家族サービス”や“団らん”しなくては!」と気張る必要はありません。あなたはすでに家族のために働き、立派に一家を支えているのです。もしかしたら、家のことや子育ては奥さん任せになっているかもしれませんが、平日は残業などで家族との時間が持てないという致しかたない事情もあるでしょう。そうであれば休日は奥さんの話に耳を傾け、お子さんの成長を共有したり、困っていることがあれば一緒に話し合う時間として使うのもひとつではないでしょうか。また、お子さんとも同様に、学校や最近の様子などの話を聴いたり、テレビやDVD観賞などで時間を共有するだけでも充分に意味のあることだと思います。


無理して何かをするよりも、家族とのコミュニケーションや一緒の時間を共有することを大切にしましょう。そして、ふだん時間がとれないことを引け目に思い、不必要に家族を気使うことなく肩の力を抜いて、自然体のあなたで過ごしましょう。これが家の中に安らぎと居心地のよさを感じることにつながると思います。ぜひ、ありのままの自分を大切にしてあげてくださいね。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

関連するキーワード

孤独
本サービスに掲載される情報は、医師および医療専門職等の監修の元、制作しております。監修者一覧および元となる情報はこちらからご参照ください。
みんなの家庭の医学 アプリイメージ
アプリでも

みんなの家庭の医学

歩数ゲームやデイリーアドバイス、無料健康相談が利用可能

QRコード

※ご所属先が本サービスを契約いただいている場合のみご利用いただけます。