人生の目標がわかりません

“隣の芝生は青い”という言葉がありますが、他人のもっているものはよく見えるものです。たとえ自分が丹精込めて芝生を作り上げたとしても、フッとお隣をのぞいた時、何だか光り輝いているように見えてしまうのかもしれません。そして、人によってはその美しさに惑わされ、自分の芝生の育て方が間違ったのか、別の花を植えた方がよいのか、頭を抱え込んでしまうのでしょう。あなたはまさに、そのような状況に立たされているのではないかと感じました。

女性にとって、「仕事」「結婚」「出産」は大きなキーワードのひとつだと思います。“女性は結婚するのが当たり前”と考えられていた時代は幕を下ろし、人生の選択肢は広がりましたが、それが故に悩みごとが増えたのも事実でしょう。まだまだ男性社会である中で、女性が地位を築くのは簡単なことではありませんし、より複雑化した社会の中で子どもを育てるのも楽なことではありません。その中でどの道を選ぶのか、本当に悩んでしまいますよね。

これまで、あなたは「仕事」という道を選び、懸命に歩まれてきたとのこと。文面からはプライベートよりもキャリアを優先して、一心不乱に突き進んできた様子が伝わってきました。とても真っ直ぐな方なのでしょう。ただ、あなたを羨んでいた友人達も新たな道を歩み始め、それを知るたびに選択した道の正しさに悩み、ついには立ち止まってしまったようですね。

今のあなたに声をかけるとしたら、「おおいに悩みましょう！」との一言に尽きるような気がします。多種多様な道があって正答はないので、何が幸せな道なのかは誰にもわかりませんよね。誰かに道を指し示してもらうことはできるかもしれませんが、自分が納得して進まなければ、また同じ悩みに突き当たることでしょう。それを考えると、結局は自問自答の中でしか、答えは生まれないのだと思います。

何の解決にも至っていないように思うかもしれませんが、悩みに悩んだ末に自分で決断した、というプロセスも大切です。それは、あなたが今選択できる中で最善の道だったのでしょう。それに間違いはないと思いませんか。

青い芝生はたしかに美しいのですが、地面に根付いてなければ枯れてしまう可能性もあります。いちばん大切なことは表面に見える美しさよりも、土に埋まり見えない部分なのかもしれませんね。今のあなたは、その大切さを忘れているような気がします。隣の芝生の美しさに目を囚われたときこそ、自分が育ててきたもの、たとえて言うならば“土の中にあるもの”を探してみましょう。そのうえで、おおいに悩んでください。きっと見逃していたあなたらしさや、これから蒔くべき“新たな種”が見つかると思います。