迅速同定検査

最終編集日:2022/7/29

感染症が疑われる症状がある場合、まず原因となっている病原体を特定する必要があります。しかし、検査には時間がかかります。たとえば細菌検査の場合、たんやうみ、尿、便、血液など(検査材料)を採取して、それを顕微鏡で観察したり(顕微鏡検査)、培地に塗って培養し、肉眼で見られる大きさまで育てて色や形態などから菌を特定したり(培養・同定検査)することが必要だからです。所要日数は3〜4日ほどで、それ以上かかることもあります。自動分析器もありますが、それでも一定の時間がかかります。
そこで登場したのが、迅速検査という手法です。専用の検査キットを使い、検査材料から直接抗原を検出するので、所要時間は5〜20分ほどで済みます。


検査でわかること

一般的な迅速検査では、専用の検査キットに検査材料を滴下してしばらくおくと、抗原が検出された場合に「陽性」、検出されなかった場合に「陰性」を示す表示が現れます。受診したその場で結果がわかり、早期治療につなげられるので、多くの医療機関で使われています。ただし、感染していたとしても細菌やウイルスを100%検出できるわけではないので、そこは考慮する必要があります。また、検出できるのは一部の細菌やウイルスだけです。
・迅速検査で検出できる細菌やウイルス
インフルエンザウイルス、ノロウイルス、大腸菌O-157、ロタウイルス、アデノウイルス、RSウイルス、クロストリジウム・ディフィシル、A群溶血レンサ球菌、肺炎球菌、レジオネラ、マイコプラズマなど

監修

寺下医学事務所 医学博士

寺下謙三

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