血清電解質

最終編集日:2022/7/29

成人では人間のからだの約60%が水分であり、血漿や細胞内液を含んだ体液と呼ばれるものです。この体液に含まれているのが電解質です。電解質とは、液体中でイオン化し、電気を通す物質のことです。
ナトリウム(Na)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、クロール(Cl)などがあり、それぞれがバランスをとりながら、心臓や筋肉を動かす、神経を伝達する、といった生命維持に欠かせない重要な役割を担っています。
健康であれば、電解質の濃度は一定に保たれていますが、何らかの体内の異変により、バランスが崩れることを電解質異常といいます。
血清電解質検査では、採血により血液中の電解質(イオン)濃度を測定します。数値が低すぎても高すぎても疑われる病気があり、場合によっては細胞や臓器の機能が低下し、命にかかわることもあります。


基準値

・ナトリウム(Na)  138~145 mmol/L
・カリウム(K)    3.6~4.8 mmol/L
・カルシウム(Ca) 8.8~10.1 mg/dL
・マグネシウム(Mg) 1.8~2.4 mg/dL
・クロール(Cl) 101~108 mmol/L
出典:臨床検査基準値一覧(国立がん研究センター中央病院 臨床検査部|2021年8月)


基準値より高い場合に疑われる病気

・ナトリウム(Na)
脱水症、尿崩症、糖尿病など
・カリウム(K)
腎不全、アジソン病など
・カルシウム(Ca)
骨の病気、副甲状腺機能亢進症など
・マグネシウム(Mg)
腎不全
・クロール(Cl)
尿管細性アシドーシス、ネフローゼ、高ナトリウム血症など


基準値より低い場合に疑われる病気

・ナトリウム(Na)
ネフローゼ症候群、腎不全、アジソン病、心不全など
・カリウム(K)
嘔吐、下痢、低マグネシウム血症など
・カルシウム(Ca)
ビタミンD欠乏症、低マグネシウム血症、副甲状腺機能低下症、腎不全など
・マグネシウム(Mg)
慢性アルコール中毒症、糖尿病など
・クロール(Cl)
嘔吐、下痢、低ナトリウム血症、胃腸疾患、腎不全など

監修

寺下医学事務所 医学博士

寺下謙三

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