血中インスリン

最終編集日:2022/7/29

血中インスリン(IRI)とは、血液中のインスリンの値のことです。インスリンはホルモンの一種で、膵臓から分泌されています。食事をして血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が上昇すると分泌されて血中インスリン値も上昇し、からだ中の細胞がすみやかにブドウ糖を取り込めるように働きかけます。その後、ブドウ糖が細胞に取り込まれると血糖値は下がり、血中インスリン値も下がっていきます。このように血糖値と連動して血中インスリン値は上がったり、下がったりしています。


検査でわかること

糖尿病はインスリンの働きが低下し、ブドウ糖を細胞に取り込むことができなくなって血液中に糖があふれ出てしまう病気です。血中インスリン値と血糖値を一緒にみることで、糖尿病の状態がくわしくわかり、診断や治療に役立てることができます。例えば血糖値が高いのに血中インスリン値が低い場合は、インスリンの分泌が不足している(分泌能低下)と考えられます。インスリン値が高いのに血糖値が下がらない場合は、インスリンの効きが悪くなっている(インスリン抵抗性)と考えられます。糖尿病以外にも膵臓や副腎の病気を見つけるきっかけとなる検査です。
インスリンは、食事のタイミングなどに影響されやすく、正確な値を把握しにくいため、空腹の状態とブドウ糖を飲んだ後(食後)に採血し、血糖値と一緒にその変化を観察します。


基準値(空腹時の血中インスリン)

2.7~10.4μU/mL
出典:臨床検査基準値一覧(国立がん研究センター中央病院 臨床検査部|2021年8月)

監修

寺下医学事務所 医学博士

寺下謙三

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