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庭や公園にも…SFTSを引き起こすマダニから身を守る

最終編集日:2026/6/22

マダニにかまれ、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)ウイルスに感染する人が報告されています。特に2024年から2025年にかけては増加傾向がみられ、2025年の国内感染者は191人と、過去最多を記録しました。2026年も発生の増加が予想されます。

これまでSFTSウイルスの感染は西日本を中心にみられていましたが、2025年には関東や北海道でも確認されました。感染エリア拡大の背景には、野生動物にSFTSウイルス感染が無症状のまま広がっていること、そして、その野生動物の数が増えていることにあります。マダニの宿主となるシカやイノシシなどは、マダニを別の地域へ運んでいると考えられます。また、野鳥もマダニを運ぶといわれます。

すべてのマダニが、SFTSウイルスを持っているわけではありません。しかし、ウイルスを持ったマダニにかまれ感染すると、発熱や吐き気、下痢などの症状が現れることがあります。まれに発病したネコやイヌから直接感染することもあります。致命率は10〜30%といわれ、特に高齢者は重症化しやすい傾向があるとされています。過度に恐れる必要はありませんが、マダニから身を守ることが大切です。


●マダニは、身近な場所にも潜んでいる

マダニは野生動物が住む野山に多く生息しますが、身近な場所にも、潜んでいます。畑やあぜ道、近所の公園、さらには自宅の庭などの草木の葉に潜み、吸血するチャンスを狙っています。そして、近くを通った人や動物に取り付き、数日から1週間ほどかけて血を吸い続けます。そのため、日常生活の中でも、屋外で活動をするときは注意が必要です。

また、マダニにかまれたことにすぐに気づかない場合もあります。これは、マダニの唾液には麻酔のような物質が含まれており、痛みやかゆみを感じにくいためです。

そのうえ、吸血前のマダニの大きさはわずか2〜3mm程度で、血を吸って1〜2cm程に丸くふくらんだマダニの姿を見て初めて気づくことも少なくありません。


●マダニから身を守るには

SFTSにはまだ有効なワクチンがないため、屋外で活動するときは「マダニにかまれないこと」が一番の防護策です。日頃から意識して、対策を行いましょう。

屋外で活動するときは、帽子、手袋、長袖・長ズボンを着用し、首にはタオルを巻くなど、できるだけ肌の露出を減らすようにします。シャツの袖は手袋の中に、シャツの裾はズボンの中に、ズボンの裾は靴下や長靴の中に入れると安心です。

また、マダニは茶褐色なので、明るい色の服を着ていると見つけやすくなります。ナイロンやポリエステルなど表面がツルツルしている素材の服も、マダニが滑り落ちやすくなるのでおすすめです。

さらに、マダニを寄せ付けない成分(ディートやイカリジン)を含む、高濃度タイプの虫よけスプレーを利用することも一定の予防効果が期待されます。肌が見えている部分だけでなく、靴や服の上からも吹きかけるようにします。

服装の工夫や虫よけスプレーの利用など、組み合わせて対策をとることがすすめられます。

帰宅したら、家に入る前に上着を脱ぎ、服の表面にマダニが付いていないか確認しましょう。もしマダニが付いていた場合は、ガムテープなどで取り除きます。その後、入浴し、肌に付いていないか、見えにくい耳の裏や脇の下なども含めて全身をよく確認してください。


●マダニにかまれたら、あわてずに医療機関へ

マダニにかまれたときに注意したいのは、自分で無理に取り除こうとしないことです。

マダニは皮膚に深く口を突き刺して血を吸うため、あわてて力任せに引っ張ると、口の一部がちぎれて皮膚に残り、炎症を起こします。また、マダニの体を圧迫することで、ウイルスが体内に入る可能性も否定できません。

マダニが皮膚についたままの状態で、速やかに皮膚科などを受診し、安全に取り除いてもらいましょう。

かまれた後は、数週間は体調の変化に注意し、発熱や吐き気、下痢などの症状が現れた場合は、早めに医療機関を受診してください。


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監修

国際医療福祉大学医学部教授

加藤康幸