他人の幸せを素直に喜べない

社会人として数年がたち、そろそろ周囲の友人達は仕事やプライベートに変化がおとずれる時期なのでしょう。今までは4月がくれば進級や進学、就職と一緒に時を刻んでいた仲間が、十人十色の人生を歩み始めていることを実感されているご様子。友人が一人二人と結婚をしたり、仕事で業績を上げたりするのを見て、焦りや不安といった気持ちが湧き、それが妬みの感情につながっているのかもしれませんね。表面上は祝福するものの、心の底に複雑な感情を抱える自分のことを責める気持ちもわいているようです。

ご相談から、あなたの真面目で折り目正しい姿が目に浮かびます。そんなご自身を一度振り返ってみていただきたいのですが、日頃の行動や人付き合いにおいて、「～ねばならない」という基準を定めていることが多くはないでしょうか。こうした考え方は、達成すべき目標が明確なときなどにはとても有効ですが、場合によっては、自分が窮屈に感じるほどに気持ちを追いつめてしまうことがあります。時には「～でもよい」という気持ちに意識して切り替えてみてはいかがでしょう。すぐに切り替えることはむずかしくても、口に出してつぶやいてみるうちに、少しずつ気持ちを楽に考えることができたり、次第に考え方の幅が広がってくることも多いものです。まずは、友人にお祝いの言葉を述べ、きちんと祝福できた自分を認めてあげることから始めてみましょう。

あなたは今回このご相談をされるにあたり、冷静に自分と向き合い、自分が嫌だと感じる面を素直に言葉にすることができました。自分を変えたいという思いを、今回行動に移せたということをしっかりと受け入れてみてください。そして、今回のような苦しい感情が湧いたり、つらいなと感じた時に、一人で抱えず、誰かと話をしてみるという、解決に向けての次なるステップにも勇気を出して踏み出してみてほしいと思います。気の置けない友人やご家族などの身近な方に話すことで、今のとらえ方に風穴を開けるきっかけとなってくれるでしょう。

最後に、今回、あなたは友人の話を聞いて妬みの感情が湧き、そのことで自分を責め、重苦しい気持ちを抱えてしまいました。一連の気持ちの奥底には、何かが足りない、何かがほしいというあなたの中の切なる思いがあったのかもしれません。それを一つひとつ確認することも大切です。実現可能なことや、早めに対処したほうがよいことからでよいので、整理してみましょう。そんなこころのメンテナンスを定期的に行うことも、「自分を変える」ためには大切です。ぜひ、他人と比らべようのない自分のよさや自分らしさを、この機会に発見してみてください。応援しています。